詰まった下水
とにかくおじいさんは、お金のことばかり考えていた
娘たちに書いていた恨みつらみも
誰々の損失を埋めたのは自分で
娘たちが悪い、みたいなお金の話が書いてあった
だいぶ昔に働いていた倒産した会社もそうだったけど
安いもの安いものに飛びついて
つきあいのある業者がどんどん離れていく
そんなわけでこんな立派な洋館の修繕業者も
ネットで検索する始末だった
ある日、下水が詰まったらしく業者を呼ぶことになった
ネットでさがした業者は結局、こういった施設の下水の処理を
したことがなく色々やったけど解決しなかった
それでも出張料金は必要なわけで
いざ支払いの時
事前に金額を提示されていたにもかかわらず
相手が若いお兄ちゃんだと思ったのか
おじいさんはなんども「なんとかならんか」てきな言葉で
繰り返し金額を交渉した
若いお兄ちゃんもヤバい奴に捕まったと思ったと思う
あれほど、解決しなくてもこの金額はかかりますよと念を押したのにも
かかわらず
おじいさんはごねまくった
夕方から始まった下水管の排水処理は終わったのも遅かったのに
その後、金額交渉が入ってますます遅くなった
私は途中で帰ったけど
翌朝、最終金額でと提示された金額を振り込むことになった
あれから若いお兄ちゃんが会社に電話してなんとか出した最低金額
だったみたい
最初に言われていた金額のみ
後味の悪さと詰まる下水が残った
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