あなたがいないとさみしい
毎日、無事に終われるか怯えていた中でも嬉しいことはある。
前の事務職を追われ自信喪失してこの業界に転職した私に
「大丈夫。大丈夫よ。」と励ましてくれたご利用者さんは
車椅子、片麻痺の女性だった。
じっと待つことが苦手で、トイレ行くとか、帰るとか、せっかちな
ご利用者さんはてっきり認知症があってよくわからないんだろうと
思っていたら
「髪留めは緑の方が似合う」とある日突然言ってくれた。
季節の変化で、無造作に留めたピンを緑から
ピンクに変えていた。
私が誰だかもわからないでいるんだろうと思っていたのに。
片麻痺で自分で歩くことに強い意思を持っていて
送迎車から自分の席まで辿り着くのに時間がかかる男性。
何をするにも自立を意識し手を貸されることを嫌がっていた。
その方がどの様に車に降車(乗車)し、どの様に席に着くか(立つか)の
タイミングを覚えたころには
「あなたがいないとさみしい」といってもらえた。
毎日、やれどもやれども自信がなくて手探りの状態だった私には
飛び上がりたいほど嬉しいことだった。
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