なぞは深まるばかり
思えば悪循環だったんだと思う
ほぼ利用者が40人以上いるデイサービスで(コロナ渦だから少ないほう)
人不足が続いて何人も何人も人が入って、教えては辞め、教えては辞めていく
人不足は解消されず職員に余裕もないから、教え方も雑でなおさら、人がいつかない
まったくの素人だった私に、髭剃ってみてと先輩は言った
世の中でどれくらいの介護に縁のない人が
自分以外の人の髭を剃れるのだろう
かろうじて身体障碍者の弟がいる私は、たまに帰省する弟の髭を電気カミソリで剃ったことはあるが
弟とご利用者様はちがう
何事も経験だと思って挑戦してみた
そのご利用者様は痛いと言った
その方は痛がるから、優しくして
先輩はご利用者様を痛がらせた後、私に言った
なんだかわけがわからない
すべてがそんな感じ
安全第一 ご利用者様の安全を第一に
さんざ脅かされるが、実際の行為は職人的で当たって砕けろ精神で学んでいくしかない
何事も経験だ 慣れだ と自分に言い聞かせて毎日
教えてくれる人が変わり、教え方も変わり
すべてが感覚で、何をしていいかもよくわからず
ただ必死だった
わからないことは率先して聞いてくれ
何がわからないかこっちにはわからないから
わからないから聞いても、感覚で動く人たちには説明できない
みんな職人だから説明できない
職人にはそれぞれ職人のやり方がある
そして距離も
なぞは深まるばかり
最近のコメント