護られなかった者たちへ 中山千里
久しぶりに日本の映画、阿部ちゃんが出るから観ようかな
と思ったのがこれ。
そしたら、なんだかんだと観ることができなくて
(近頃の映画はサイクルが早い気がする 気がついたら終わってる)
どうしてもどんな内容か知りたくて、原作を読んでみた。
内容はすごくシリアスな問題。
完全に作者の手法に騙されました。
どう考えてもその意図で書かれてるとしか思えないやり方に
まんまとやられました。
少し考えればわかることなのに、この人が阿部ちゃんかなとかそんなことばかり考えて
すっかり罠にはまってしまいました。
物語には、「けいさん」というご年配が登場する。
先に書いた『フーガはユーガ』にもやっぱり年配のおばさんが
出てくるけど、そのどちらも人生の経験を経て手にした知恵で主人公たちに
影響する。
「けいさん」の言葉は身に染みて、ここにも記録しなくちゃと電車の中で
読みながら思わず、ページの端を折り曲げた。
ごめんね。
しかも通勤の時間にしか読まなくて、ごちゃごちゃしたリュックの
中に水筒と一緒に入れてたら、表紙と水筒がくっついちゃって
表紙がなくなっちゃった。
ごめんなさい。
「人から受けた恩は別の人間に返しな。でないと世間が狭くなるよ。」
けいさんのセリフ
けいさんだって、別に余裕があるわけでもないのにこう言ってのけた。
こういう考えが最後まで彼女を貫いている。
いろいろな問題を提起してる本だけど
なにより、けいさんの人柄にすごく惹かれた。
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