10のうちどれくらい
はじめって知ったことだけど、救急車で運ばれたら対処療法するだけで
原因は追究しないということ。
きっと、外科的処置や緊急性が必要とされている場合は、テレビで見るみたいに
診断の後、手術室でオペが始まるんだろうけど
今回のような原因不明の腹痛の追求まではしないということだった。
この数か月、何回も血液検査をして何もでない娘の腹痛の原因追及は救急対応では行わない。
ただ、痛み止めを点滴で注入するだけ。
どうりで、以前救急で行った病院で何もしてくれなかったわけだ。
今回も、原因がわからなくて帰らされると思う危機感から、私はなんとか原因を突き止めてもらえるよう
救急の先生に食い下がった。
次から次へと救急車や外来で訪れる患者を相手にして、今日が何曜日かもわからなくなるほど
働いてくれている先生は、できる限りのことをしてくれて最終的に外科の予約をとってくれた。
なんとか痛み止めが効いて、その日は帰った。
予約の日、外科ではわからずそのまま消化器内科にまわされた。
消化器内科の先生も若くて、髪の毛をゆるくパーマをかけたおしゃれな人だった。
ここの病院は、先生も看護師もなんだか若い。
ちょっと若い先生は、経験が少なくて大丈夫かと思ったりもしたけど、
この数か月の病院巡りの日々を伝えて、なんとかしてほしいというおばさんの訴えを
このおしゃれな先生は誠心誠意、受け取ってくれた。
結果的に、検査入院することに。
救急で運ばれたときから、この病院では痛みを「10のうちどれくらい?」とどこでも聞いてくる。
いまは、カルテがパソコンだからカチャカチャとキーを叩きながら「痛みは10のうちどれくらい?」と
何度も何度も色んな人が聞いてくる。
何のためにパソコンに入力しているのかと思うほど、毎回毎回初めて聞いたみたく「10のうちどれくらい?」と
質問される。
第三者に痛みを表現するのに統一した物差しとしてあるのだろう。
あとから娘に聞いた話、
救急で診察室で唸っていた時、自転車で救急外来にきた男の人がいた。
男の人「仕事をしていたのだけど、腹痛がひどくなったので来ました」
病院「10のうち痛みはどれくらいですか」
男の人「6くらいですかね」
その後、診察したら盲腸で緊急手術になるって診断を受けていたらしい。
自ら自転車に乗って痛みは10のうち6くらいと呑気に言ってた男の人は、緊急手術・・・・。
ほんとに人によって痛みの感じ方って異なる。
私にとって、この娘の腹痛騒動は「10のうち9くらい」のイベントになったことは間違いない。
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