就職活動の終わり

自分でも信じられなかったけど

白いお城に就職した後も、私は就職活動を続けていた

何事も諦めが早く根性のない私が

1年間も就職活動を続けていたなんて全く信じられない

 

何度も萎える気持ちを奮い立たせることができたのも

このお城のキャラたちに対する「大丈夫か」とか「こんなの嫌だ」っていう

気持ちのおかげだったから、感謝すべきだったかもしれない

 

この年齢での事務の求人数は毎月1件もなかったから

サイトだけ見て終わりの月が何回もあった

毎日サイトはチェックして気が付いたら何もないまま一ヶ月終了という感じ

 

それでも本当にちょうど1年後に新しい会社へ転職をすることができた

今度はちゃんと引継ぎ期間を一ヶ月作って

ゴジラに送別会まで開いてもらって退職をすることができた

むしろゴジラに愛着もわいてこのまま辞めてもいいのか、と自問するまでになっていたよ

すべては去る時の感傷に過ぎないと、人に言われた

 

その頃はおじいさんはあんまり会社に出社してなくて

まさに辞めるときはなんだか病院に入院してる、とかって状態だった

それまでもちょくちょく入院しては帰ってきてたから

退職した週末にでも携帯に電話してみるか、と思って

最終的にはおじいさんには挨拶せずに辞めてしまった

ちょっと礼儀知らずだったかな

新しい会社に出勤し始めたりなんだりでその後も結局

おじいさんには連絡しそびれてしまった

 

それから数か月、ゴジラから連絡があったとき

おじいさんが亡くなったことを聞いた

あんなに何回も書き直してた恨みつらみはちゃんと読んでもらえたんだろうか

やっぱりお金は持っていけなかった

ぎりぎりまでお城の奥のあの部屋で会社に来て

ろくすぽ寝たきりにならなかったおじいさん

それはそれですごいことかもしれない

 

結局、私は退職のあいさつを永遠にすることができなかった

日常

Posted by ぷー子