バラのアーチ
小さい頃は親父によく連れまわされた
親父は飲んだくれだから
よく定食屋とか居酒屋に連れまわされた
人受けがいいのか
どんな人でも親父はすぐ打ち解けてたように思う
きっと軽い冗談なんか言う気さくな男だったのかもしれない
私にとっては、うけもしないジョークを言ってヘラヘラしてる姿が
嫌いだった
子供の目から見てヘラヘラしているように見えたのは
本人が無理をしていたのかもしれない
お酒を飲まずにいられないことも
お酒に飲まれてしまうことも
何かと生きるのが大変だったのかもしれない
そんな父は植物を育てるのが好きだった
色んな盆栽や植木を買っては自分で肥料や手入れをこまめにして
育てるのが好きだった
人間社会ではヘラヘラして自分を繕わなくてはいけなかったけど
植物の前では素直な自分でいられたのかもしれない
生憎、私は誰とでも打ち解ける器用さや植物と意思疎通する能力は
引き継ぐことができなかった
一度、小学生のころ一軒家の借家に住んだことがある
庭が広くて
そこを親父は盆栽と植物でいっぱいにした
庭の真ん中にはバラのアーチを作ったりしていた
私には、毎日の水やりがやっかいなだけだったけど
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