何者にもなれなかったら、おばさん社員になっていた
私はいわゆるバブル終わりの世代だ
当時は、4大卒の女性が会社に入社して総合職ってのになり始めた頃
家の事情と、大学受験に挑む勇気がなくて高卒で就職した会社の女性の主流は短大卒だった
寿退社は普通のことで、妊婦が働いてたら珍しがられる時代
そんな時代が私の就職スタート
やりたいこともなく、派遣とういう働き方が作り出された頃
右も左もわからない私はただうわついた流れに乗って転職を繰り返し、何者にもなれないままここまできていた
もう若いころのように気安く職を変えられなくなった年齢の時
歳をとってもやっていける仕事として事務をとった
せいぜい一般事務の色付け程度で簿記をかじった状態で、今の会社に就職した
入った当時は、お茶汲みの仕事がとても重要だった
そう書けば、女性の仕事の程度がわかるかと思う
正直、私の立ち位置は全くの蚊帳の外 会社で何が起きていても知らされないような位置にいた
元々、大手の顧客から仕事を必ずもらえていたからのんびりした会社だったんだと思う
夏や冬のイベントのお菓子を買いに行くのが仕事みたいなのも許されてた
それでも遅ればせながら、時代の波がやってきた
まずは価格競争
この時は上層部は揺れたみたいだけど、末端の私まではその揺れは来なかった
そんな中でも、なんとか仕事を切り開こうと上司の仕事を奪っていった
扱いはいつまでも事務員を抜けないけど、いつかあの大学の新卒で入ってくる人たちと同じ土俵に立てるんじゃないかと思って
そして、同じものをただ売っているのではなく新しいものを生み出さなければ生き残れない
会社全体がそういう転換を迫られる時がくる
私は入社して10年位たっていた
だけど、その時、会社が求めたのは若い人だった
我慢して、いつか同じところに立てると思って部署を支えてるつもりだったけど
気が付いたら歳をとっていて、もう必要とされていなかった
色んな最新技術についていけなくて、そのことでもつまはじきにされる
いつまでも、雑用は振られる
その横で、四大卒の中途の女子が採用され同じ部署に入社した
給与は私より上だった
会社はそういう人たちに生き残りをかけていた
当たり前といえば当たり前だけど
もちろんこれから先、10年、20年と会社を支えていくのは彼らだろう
でも、歯を食いしばって耐えてきた日々は何の意味もなかったというのはひどすぎないか
中途採用が軽々と自分の給与を越える時
新卒採用にいつ自分の給与が越えられるのか気が気でない時
それでも10年たてば何かしらの立場が確立するのではないかと思った目の前で
私より数か月後に入った新卒が係長になるのを見た時
気が付いたら「もう貴方はこの年齢なので給与は上がらない
それでもよその会社よりましだ」という戦力外通告を暗にいただいた
生まれた時代が悪かったのか
やっと女性に脚光が浴び始めた矢先、気が付いたら
ただ長くいるだけのおばさん社員になっていた
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