バケツの水が溢れた
==バケツの水がもう少しであふれそうな状態だったんだと思う==
あんなに自分の中で踏ん切りがつかなかったのに、「最後の一押し」があった日
もう辞める もうダメだ はじめて頭の中のどこかで自分が言ってた
その日は月曜日で、事情があって強制的に家に帰らされたんだけど
水曜日には、退職届を手に「一押し」をした張本人に退職の話をしていた
もちろん、家に帰ってからも辞める、辞めないってメチャクチャ揺れた
「今までだってこんなことがあっても、翌日、また普通に仕事をしてきたじゃないか
また、平気な顔してあの場所へ戻ればいいんだ」
火曜日はそんな気持ちになっては、大泣きしたり、辞めるって思ったり
まったく情緒不安定になった
だけど、
『じゃあ、あそこにもどれるの?』
そう問い詰められた
会社の門はくぐれるかもしれない 制服に着替えて事務所に入ることもできるだろう
でも、あの部署、あの席にはもう二度と座れない
あの場所、あの席にはもう戻れない
==バケツの水が溢れた==
とりあえずありあわせの便せんで定型文の退職届を書いた
探したら封筒がなかった
だから買いに行った
夜の八時
近くのショッピングモールはもう文房具売ってるフロアが開いてなくて
近くのコンビニまで歩いていった
グルグルグルグル
何回も何回も、辞める、辞めないを繰り返してしまう
必ずそこへいってしまう
これからもきっと同じだ
それは、辞めるの向こう側を見るまで繰り返されるだろう
どんな答えになるとしても、辞めるの向こう側へいかない限り続く
もういいだろう
もう頑張った
コンビニに着いて、狭い文房具類の中から白い封筒を探し出した
そして、改めて、便せんも買いなおした
木曜日まで休みの連絡を会社に入れて、金曜日に退職の話をしよう
水曜日、木曜日、休みの連絡をいれられるのか?
金曜日まで辞める、辞めないを考え続けるのか?
時間を空けたらまた、続けられるとか思ってしまうのではないのか?
自分を追い詰めないとそうやって向こう側へは永遠にいくことができないのではないか?
グルグルグルグル
辞めると伝えるなら迷惑かける会社にも早いほうがいい
早いほうがいい
そう思ったら、水曜日に上司のアポをとっていた
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